文字を書くのではなく、色を置く
鉛筆デッサンでは、お菓子やパン・洗剤などの商品をモチーフとして出題される場合があります。
その商品のパッケージには、商品名や企業名のロゴ・キャッチコピー・説明文などが載っています。
これらの文字をそのまま文字として書く方がおられますが、なかなかキレイに再現することができません。
デッサンの場合、パッケージが自分に対して真正面を向いていることは、まずありません。
そのため、パッケージの面の歪みに沿って文字を配置することになります。
面が斜めなら、そこにある文字も斜めになります。
丸い面なら、そこにある文字も弧に沿った形になります。
斜めの面や丸い面に沿って書き順通りに書いていくと、列が乱れる、傾きがおかしくなるなんてことも起こるでしょう。
では、そうならないためにはどうしたら良いか。
字を書くのではなく、字があるところに色を置いていくのです。
例えば図1のように、斜めの面にABCと黒い文字が印刷してあるとします。

ABCと字を書くのではなく、ABCのあるところに色を置いていきます。
図2のように、グリッド線とドットで表現すると分かりやすいかと思います。(実際にこのようなグリッド線とドットで描くわけではありません。あくまで説明として)

この時、まずはABC全体の大きさをパッケージの中に配置し、その中でそれぞれの文字が占める割合に分割し、色のあるところに色を置き、色のないところは抜いていきます。
傾きや大きさ、比率やバランス、距離感など、いろいろな点を確認しながら形を整えていきます。
その結果、色を置いたところは文字に見えます。

文字を書くのではなく、色を置いたところが文字となるわけです。
もちろん、白抜きの文字の場合は、色を抜いたところが文字に見えることになります。
このように進めることで、パッケージの面に正しく配置された文字を再現することができます。